乳酸が疲労物質は間違い!?

激しい運動をした翌日など、筋肉痛になったりしますよね。
疲労がたまってたり筋肉痛の時、よく乳酸が溜まってるって教えられませんでしたか?

疲れや筋肉痛をとるにはお風呂につかってマッサージをしたり、クエン酸のサプリメントやアルカリ性食品は乳酸を分解除去してくれるから摂取しなさいと言われていました。

しかし!近年はその常識が覆ってきているようです・・・

質問さん
酢の物や乳製品なんかよく食べてましたよ!疲れが取れやすいからと!!
回答先生
完全に効果がないとは言い切れないかもしれませんが、あまり効果がないかもですね。なぜなら乳酸自体が疲労物質ではないからです!
質問さん
では、どうすればいいのですか?
回答先生
それについて、今日は乳酸とともに話していきましょう!

 

旧来の疲労メカニズム

なぜ乳酸が原因と広まったのか?

イギリスの生物学者 ‘‘アーチボルトビビアン・ヒル‘‘ が提唱した理論だそうです。

疲労した体の血中には乳酸が多く存在することを発見しました。乳酸によって、中性に保たれている体が酸性にかたよると肉体が疲労すると考えられて「乳酸=疲労物質」と思われるようになったのです。

なぜ今まで疑うことがなかったかというと、彼が1922年にノーベル賞をとったからだと思われます。ノーベル賞を取った学者様が間違うはずがない!そう思われて今日まで来てしまっていたのかもしれません。

乳酸の役割って?

糖(グリコーゲン)を使ってエネルギーを作られる時に乳酸も作られます。その作られた乳酸もエネルギー源として運動中消費し続けます。

消費されているということは疲労の原因ではない。そう考えられています。

 

現在の疲労メカニズム

本当の疲労の原因は活性酸素?

普段生活していく中で、筋肉や脳などあらゆるところで大量の酸素を使います。その過程で活性酸素という物質が生まれます。これは呼吸をして生きていく人間には、どうしても発生する物質です。

この活性酸素が、すべての疲れの原因だと言われるようになりました。

活性酸素には、体に侵入したウィルスなどの外敵を分解するため、酸化作用を体にうながす効果があります。一方で、人間の細胞も酸化させてしまうやっかいな面があります。

細胞が酸化すると、傷ついた状態になり本来の機能を果たせなくなります。体のすべては細胞からできていますから、その一部が正常に機能しなくなると本来のパフォーマンスも落ちることになります。

では呼吸をしているだけでどんどん細胞が酸化してしまうのか?というとそうではなく、活性酸素から細胞を守るシステムはきちんと機能していて問題になることはありません。

ただし、激しい運動をしたりストレスを感じたりすると、活性酸素の量が一気に増えてしまい細胞を守るシステムが処理できる量を超えてしまいます。

上限を超えてしまった活性酸素によって細胞が傷ついてしまい、結果的に機能低下を起こします。この機能低下が、疲れの原因です。

疲労

 

もう一つの疲れの原因となる物質

疲れのおおもとである活性酸素が細胞を傷つけた際に、酸化した細胞から出る老廃物の一つがあります。

疲労因子FF(ファティーグ・ファクター)と呼ばれるタンパク質です。

とある実験で、マウスにFF(ファティーグ・ファクター)を投与して様子を見ました。今まで元気に車輪を回していたマウスが徐々に運動しなくなり、最後は疲れて動かなくなりました。

FF(ファティーグ・ファクター)

  • 疲れの直接的な原因である
  • 疲れている時は、体に疲労因子FFがたくさん増えた状態である

という結論にいたったそうです。

疲労を回復する「FR」

疲労因子FF(ファティーグ・ファクター)が増加したとき増えるがままにしておくことはなく、抑制しようとする仕組みは人間の体にちゃんと備わっています。

疲労回復物質FR(ファティーグ・リカバリー・ファクター)です。

この物質は、傷つけられた細胞の修復を促す働きがあります。疲れから回復するということは、傷ついた細胞が修復されることなので、この疲労回復物質FR(ファティーグ・リカバリー・ファクター)の値が、疲れに対する回復力を表します。

人によって同じ運動をしても、疲れが残る人とあまり残らない人がいると思います。それはこの疲労回復物質FR(ファティーグ・リカバリー・ファクター)の反応性に関係していて、反応性が高い人は疲れが残りづらく、低い人は疲れが残りやすいといえます。

 

疲労の回復力を上げるには

・運動をすること

運動するとFFが溜まることは理解していただいたかと思いますが、反対にFRも増えていきます。FFは運動後30分程安静にすれば無くなっていきますが、FRは運動後数時間は体内に残り、FFを除去してくれます。

少し体を動かしその後休むことが疲労回復に一番良い運動の仕方です。

・ぬるま湯入浴

41度以下のぬるめのお湯に10分ほどつかるとFRを出すことができますので、長めにつかっていくことがお勧めです。熱いお湯は体に負担をかけて返って疲れてしまうので、ぜひぬるま湯で。

・効果の上がる食事

イミダゾールジペプチドという物質が体の中でFRを作るのを助ける働きがあります。サプリメントでとることができます。食事でとる場合、鳥胸肉、豚ロース、魚の赤身(マグロ、カツオなど)がおすすめです。

・睡眠

FRを増やす為に最も重要なのは睡眠です。脳を休めることでFFを増やすのをくい止め、FRによって回復することが疲労回復に最も効率が良いです。

 

まとめ

・乳酸が疲労物質であることは間違い
・疲労状態は活性酸素によって体が酸化しているから
・疲労物質はFF(ファティーグ・ファクター)と呼ばれるタンパク質
・疲労を回復するにはFR(ファティーグ・リカバリー・ファクター)を増やす
・疲労の回復力を上げるには、運動・入浴・食事・睡眠

以上を意識していくことが、疲労を回復し疲れをためない事です。

ぜひ実行して、よりよい生活に役立ててください。

ABOUTこの記事をかいた人

骨盤力整体の整体師。‘‘骨盤力‘‘というフレーズはあまり聞きなれないものだと思います。骨盤を中心に引き締まった美しい姿勢を維持できる力、これを骨盤力と呼んでいます。腰痛でお悩みの方、痛みをとり綺麗な姿勢も手に入れてみませんか?福井県下ではココだけです!ぜひ体験してみて下さい!!