激しいスポーツを行なった後や、久しぶりに運動をしたりすると翌日に嫌な症状が出てきませんか?
そう、筋肉痛です!
朝起きて用意をしようとすると、痛んでやる気をそがれる思いをした事のある方は多いと思います。お風呂や温泉にゆっくりつかったのになぜおこるんだろう?
今日は筋肉痛について解説してみます!
筋肉痛がおこるしくみ
筋肉痛の原因の話をする前に、筋肉の構造を説明します。
筋肉の構造
筋肉の説明をする時“そうめん”で例えるとわかりやすいと思います。
細い一本のそうめんが束になってまとめられてます。その束が6〜10個程が袋詰めされてスーパーなどに売られています。
筋肉も同じで細い一本の筋繊維が筋繊維束にまとめられて、束が袋詰めされたものが筋肉だと思って下さい。束にまとめられた筋繊維は筋膜という膜に覆われています。
筋肉痛がおこる流れ
1.激しい運動や負荷で筋繊維がダメージを受ける
筋肉を使いすぎたり負荷がかかり過ぎると、筋肉を構成している筋繊維に傷が付いてしまいます。筋繊維自体には感覚中枢(痛みなど感じる中枢神経)がありません。なので筋繊維が傷ついた状態では痛みを感じる事はないです。
2.白血球が集まって炎症がおきる
傷ついた筋繊維は炎症をおこしてしまいます。それを修復しようと白血球が集まって働きだします。
3.刺激物質が作られて痛みを感じる
炎症を取り除こうと働きだす白血球は、刺激物質(ブラジキニン、セロトニンなど)を生産してしまいます。その刺激物質が筋膜を刺激して、感覚中枢(痛みなど感じる中枢神経)を介して痛みを感じます。また、刺激物質は筋繊維に腫れの症状も引きおこしたりします。
つまり・・・
筋肉痛とは、傷付いた筋線維で炎症が起きて、修復しようと白血球が働く際に生産された刺激物質が筋膜を刺激しておこっているんです。
数時間〜翌日以降から痛みを感じるのは、刺激物質が筋膜を介して感覚中枢に到達するまでの時間がそれくらいかかるという事ですね。
筋肉痛を治す方法
傷ついた筋繊維を元に戻すには、新しい筋繊維を作る必要があります。それを手助けしてくれるのが“栄養分”と“酸素”です。それらを筋繊維に運んでくれるのが“血液”です。
1.ぬるめのお湯にゆっくりつかる
38℃くらいのぬるめのお湯にゆったりつかって血行を良くしましょう。回復に必要な栄養を運ぶ係りですから、血行を良くすることは重要です。また、痛みを感じる刺激物質を患部から分散させる働きもあるようです。
2.バランスのとれた食事をとる
タンパク質
筋肉の素となる栄養素で、ダメージ回復に効果的です。
魚や肉、大豆や卵、乳製品などにたくさん含まれています。
ビタミンB、E
血行促進効果があるので、ダメージ修復を早めてくれます。
フルーツや生野菜、ナッツ類などにたくさん含まれています。
3.筋肉痛に効果のある薬でやわらげる
非ステロイド系消炎鎮痛剤
バファリンやロキソニンなど
痛覚に痛みを知らせる発痛物質を抑える働きをしてくれるそうです。
貼付薬
冷却シップやモーラスパップなど
効果の持続性は大体8時間くらいと言われています。
“朝と夕”の2回がおすすめです。
筋肉痛の予防方法
1.ストレッチで筋肉を伸ばしておく
ケガ防止の為に準備運動と一緒に行われるストレッチ運動は、現代だと当たり前になってると思います。
ストレッチはケガの防止だけでなく、筋肉痛の予防にも効果的です。
ストレッチであらかじめ筋肉を伸ばしておくと、運動時の筋線維へのダメージを減らせるからなんです。
また、筋肉痛になりやすい動きというのもあります。筋肉を伸ばすときのほうが筋線維への負荷が大きくなるため、損傷が起こりやすくなるのです。
階段を下りるとき、坂道を下りるとき、重いものを下ろすときなどは、ゆっくりとした動作を心がけると筋肉痛になりにくいですよ。
2.運動直後のアイシング
運動直後にアイシングをするのも筋肉痛の予防になります。
アイシングをする時は、氷水が入った“氷のう”を筋肉にあてましょう。
もし、アイスパックなどを使う場合は、タオルなどに包んでください。
アイスパックを直接皮膚にあててしまうと、凍傷になる恐れがあるのでくれぐれもご注意を。
なぜアイシングが筋肉痛の予防に効果的かというと、運動によってダメージを受けた筋線維の炎症を鎮めることができるからなんです。
ただ、アイシングをしすぎると凍傷や回復の遅れにつながることもありますので、長くても20分程度にとどめましょう。
まとめ
- 筋肉は筋繊維の束が集まった集合体
- 筋繊維が炎症をおこした所を白血球が修復する時に刺激物質を生成してしまう
- 生成された刺激物質が筋膜を介して痛覚を刺激して痛さを感じる
- 筋肉痛をやわらげるにはぬるま湯のお湯にゆっくりつかりバランスのとれた食事をする
- 筋肉痛予防は運動前のストレッチと運動後のアイシング