「足の長さが違うんですよ~」
腰痛で来られるお客様でおっしゃられる方が多く、診てみると確かに違います。
人間は左右非対称と顔などで言われることと思いますが、足の長さが違うことが無条件でダメという事はないです。1~2cmくらい違うという方は結構多いです。
それでも腰や膝になにも不調がない方もいますので、違いがあるからダメ!ではないということだけ前置きさせて下さい。
なぜ長さの違いが出るの?
股関節6つの動き
屈曲(クッキョク):股関節を前に曲げる動き
伸展(シンテン):股関節を後に伸ばす動き
内転(ナイテン):足を内にとじる動き
外転(ガイテン):足を外にひらく動き
内旋(ナイセン):内に向くようねじる動き
外旋(ガイセン):外に向くようねじる動き
つまり、骨盤は前後・左右・上下など動くことで、
歩いたり屈んだりひねったりと自由な動きができるのです。
このような動きの特性から、あらゆる動きを可能にしている分歪む要素もたくさん含んでいます。
骨盤を歪ませる要因
筋力の低下
骨盤の周りには骨盤を支える筋肉があります。日頃の運動不足でその筋力が低下して骨盤を支えきれず歪みを生じます。
横向きの姿勢
TVや雑誌を見るときに、横向きになって腕まくらで見ていたりしませんか?その姿はまさに歪んだ状態を生みます。慣れてしまっている人は横向きになったほうが楽になってしまっている方もいます。
姿勢の悪さ
デスクワークで同じ姿勢を長時間続けていたり、立ち仕事で片方の足に体重をかけてしまうクセが付いているなど体が傾き骨盤を歪ませます。
この状況では左側の足が長くなってしまい左右で長さの違いが出てきてしまいます。
先天性な歪み
先天性内反足
原因:生まれた時に足の向きが内向きになっている。片足だけや両足ともなどの症状。女性より男性に多くみられます。
先天性股関節脱臼
原因:股関節が脱臼しやすい要素を持った赤ちゃんに、何らかの要因が加わって脱臼してしまう病気。女性に多く見られます。
ともに原因はいまだにはっきりとは解らないそうです。
1000人に1人くらいの割合で先天性と名の付くとおり、生まれてすぐの状況でおこる事なので歳をとってからなるといった症状ではないです。
長さの違いでおこる症状
足の長さが左右で違う
その事実よりも、その状況によって引き起こされる症状が一番やっかいです。足の長さが左右で違うと、どのような症状を引き起こすことになるのでしょうか?
腰痛
立っているときや座っているときに腰部分の骨盤が傾いているため、腰に無理な負担がかかり腰痛の原因になってしまいます。
肩こり
意外に思われるかもしれませんが、骨盤の歪みから背骨が曲がり猫背になります。猫背になると背骨の横に通っている筋肉が引っ張られ緊張状態になります。その上には僧帽筋や上腕二頭筋など肩にある筋肉につながっていき、同じく引っ張られて血行不良をおこし筋肉が硬くなって肩こりがおこります。
O脚
足の長さが違うと長いほうに負担がかかります。負担のかかった方の足の力を分散しようと外側に向けてガニ股になって長さを合わせようとし、O脚を誘発していきます。
まとめ
・骨盤は稼動域(動く範囲)が広い分、骨盤を歪める要素も多い
・先天的な歪みは大人になってからはおこらない
・大半の足の長さの違いは骨盤の歪みが原因
・歪んだ骨盤から誘発される症状が一番やっかいである
骨盤の歪みは日々の癖や習慣などでおきていき、そのままにしておくと体中のあらゆる場所に不調をもたらします。
肩こりも腰痛も突き詰めると正しい姿勢を維持できると、起こることのない症状なので日頃から意識して生活することが一番の予防策ですね。